ヴァンヌーボの種類多過ぎじゃない?
ヴァンヌーボってどんな紙?
ヴァンヌーボとアラベールの違いって何?
おそらくこの記事をご覧になっている時点でこのような疑問をお持ちなのかなと思います。
そこでいんさつハックでは各種ファンシーペーパーをそれぞれ解説していこうとおもいます。
今回はその中でもデザイナーに人気なファンシーペーパー「ヴァンヌーボ」についてです。
ヴァンヌーボの基本的特徴
ヴァンヌーボはアラベールやMr.Bなどと並びデザイナーに人気なファンシーペーパーの1つです。
ヴァンヌーボには
- ヴァンヌーボV
- ヴァンヌーボVG
- ヴァンヌーボVM
- ヴァンヌーボF
- ヴァンヌーボスムース
の5種が存在します。
とはいえ、ヴァンヌーボといえばヴァンヌーボV、ヴァンヌーボVGを指すことが多いような気もします。
ここで気になるのは後ろのVとかVGですがこれは
ヴァンヌーボVを基準に
- ヴァンヌーボVよりグロス感がある→ヴァンヌーボVG(グロス)
- ヴァンヌーボVよりマット感がある→ヴァンヌーボVM(マット)
- ヴァンヌーボVより風合いがある→ヴァンヌーボF(フィーリング)
- ヴァンヌーボVより平滑である→ヴァンヌーボスムース
ということで命名されています。
またVはヴィジュアルのVです。これは高い印刷適性を持つことに由来しています。
ちなみに5種類全てが、森林認証紙であるため
ヴァンヌーボV-FS
ヴァンヌーボVG-FS
ヴァンヌーボVM-FS
ヴァンヌーボF-FS
ヴァンヌーボスムース-FS
が正式名称です。
ヴァンヌーボの色と厚さ
ヴァンヌーボは白ベースで数種類色がありますが、それぞれの種類で色が異なります。実はホワイトよりもスノーホワイトの方が白い点にも気をつけてください。
また、厚さも種類と色ごとにバラバラですので下に表を用意しました。
ヴァンヌーボVの色と厚さ
- スノーホワイト
- ホワイト
- ナチュラル
105kg | 130kg | 150kg | 175kg | 195kg | 215kg | 235kg | 275kg | |
スノーホワイト | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
ホワイト | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
ナチュラル | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
ヴァンヌーボVはヴァンヌーボシリーズの中心的用紙だけあって、最も色数が多く、厚さも充実しています。日本一有名な紙店「竹尾ペーパーストア」ではこのヴァンヌーボVを1として他の紙の価格指標とするなどかなりの人気具合がうかがえます。
ヴァンヌーボVGの色と厚さ
- スノーホワイト
- ホワイト
105kg | 130kg | 150kg | 195kg | |
スノーホワイト | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
ホワイト | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
ヴァンヌーボVGはヴァンヌーボVよりグロス感が強い用紙です。色数はVと比べで1色減りましたし、厚さのほうもうんと減って、4つのみです。最も分厚くて195kgですので全体を通して比較的薄いと言って良いのではないでしょうか。(官製はがきが180kg、一般的な名刺が180kg~220kgです。)
ですが価格はヴァンヌーボVより安いのが特徴です。
ヴァンヌーボVMの色と厚さ
- ホワイト
130kg | 150kg | |
ホワイト | 〇 | 〇 |
ヴァンヌーボVMはヴァンヌーボVよりマットな用紙です。価格はヴァンヌーボVと大きく変わりませんが色が1色のみ、厚さも2種のみです。
ホワイトはスノーホワイトよりアイボリーよりであるため思ったより白くないなぁってことがあるかもしれません。また、連量も130kgと150kgでちょっと中途半端感が否めない感じがします。
それゆえか、印刷通販ではほとんど見ないです。
ヴァンヌーボFの色と厚さ
- ホワイト
- ナチュラル
90kg | 110kg | 135kg | 180kg | 195kg | |
ホワイト | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
ナチュラル | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
ヴァンヌーボFはヴァンヌーボVより風合いが強い紙です。色は少しアイボリー寄りの2色があります。厚さは195kgまでありますが、ヴァンヌーボシリーズの中では珍しく、90kgが製造されています。
とはいえ、風合いという意味ではアラベールの方が勝っているのか、ヴァンヌーボFはあまり見かけません。
ヴァンヌーボスムースの色と厚さ
- スノーホワイト
90kg | 110kg | 135kg | 180kg | |
スノーホワイト | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
ヴァンヌーボスムースはヴァンヌーボの中で最も平滑です。色は色はスノーホワイト1色ですが、ヴァンヌーボシリーズの中では珍しく、90kgが製造されています。
しかし、平滑にしてしまったためか、ヴァンヌーボの風合いが薄れているような気もします。
ヴァンヌーボの強み
ヴァンヌーボは高い印刷適性を持ちながら、風合いを残すという相反する特徴を兼ね備えた用紙です。
塗工処理を行っているので色が沈まず、比較的発色がいいのが特徴です。
また、意外にも嵩高(かさだか)です。
嵩高とは、空気を多く含むことで、連量に対して紙を分厚くすることですが、これにより、書籍では高級感が生まれ、名刺などのカードではふわっとしながらも厚さを感じるようになります。
逆にインクの乾きが遅いので、あまり濃い写真などを印刷すると、裏抜け(裏側から透けて見えること)する可能性があります。
ヴァンヌーボとアラベールの違い
ヴァンヌーボと同じぐらい人気な用紙にアラベールがあります。
アラベールとヴァンヌーボの最大の違いは
塗工処理をしているかどうか
です。
ヴァンヌーボは塗工処理をしているので、印刷適性が高いのですが、その分風合いが落ちています。
アラベールは逆に塗工処理をしていないため、風合いが強く、筆記性に優れていますが、色が沈んでしまいます。
デザインに合わせて使い分けるのがよさそうです。
ヴァンヌーボ | アラベール | |
印刷適性 | ◎ ※裏抜けする場合があります | ○ |
発色 | ◎ | △ 塗工してないので沈みます |
風合い | 〇 塗工した分風合いが落ちます | ◎ |
印刷した部分 | インキが乗った部分が キラキラ光ります(グロス感) | – 変化なし |
筆記性 | 〇 | ◎ |
※ヴァンヌーボにはヴァンヌーボVやヴァンヌーボVGなどいくつか種類がありますが、
ここではアラベールとの比較のためヴァンヌーボとしてひとくくりにしています。
まとめ
人気のファンシーペーパー、ヴァンヌーボについての解説でした。
印刷用紙の特徴や適性を知ると印刷やデザインの幅が大きく広がります。
アラベールの特徴のまとめ
- デザイナーに人気なファンシーペーパー
- 風合いと印刷適性を両立した印刷用紙
- ヴァンヌーボVとヴァンヌーボVG以外はあまり見かけない
- ヴァンヌーボVをベースに、その時々で他の種類を選ぶと良いかも
- アラベールには風合いで劣ってはいるものの、印刷適性や発色の良さではヴァンヌーボの方が優れている